' . "\n"; ?> ガーネットスター | :::LitSwD:::

 ベガ、トゥバン、コカブと指折り数える。ポラリス、エライ、アルフェリク。幾つもの星を経由して、やがて天頂はベガへと返される。そしてまた星空は回り始めるのだ。
「ああ、そこまで待っていられねえなあ」
 Dパッドをベッドの下に放り投げる。思い出すのは鮮やかな太陽。この陽の光が入らない、薄暗い部屋では想像ですら暖かい。それを手に入れられることは決して無い、また彼の標であり続けることも。
 凌牙にカードの意味を尋ねた子供はすでにいない。強い顔で前を睨む九十九遊馬がそこにはいる。
 ポラリスが周り、エライが天頂に昇る。それを凌牙は止められない。彼が進んでいく以上、彼は高みへ上り続ける。自分も望んでいることだというのに、どうしてこんなにも悲しいのだろうか。
 強い光に、自分の光がかき消されたとしても、手を伸ばす。昼のさなかに輝く星は、何より明るく、眩く、他の星のことなど考えもせず。宇宙の遥か遠く、三千五百年前の光でか細く想いを寄せる星のことなどきっと知りもしないのだろう。
「ゆうま」
 確実に来るのなら、待っていられる。彼の特別な愛が自分だけに向けられる日は遙か、彼方、あったとしても二万年以上先の話になる。
「ゆうま、ゆうま」
 深海の色をした夜空を見上げて、遊馬が笑ってくれる日は来るのだろうか。その温かな手のひらを凌牙に向け、この手を取ってくれることは?
 分からない、と思った。分かりたくない、と思った。
「おれを、見てくれ」
 そんな日はきっと来ないのだから。



ブラウザを閉じてお戻りください。
2012/02/14 : 初出